SHIINA、ポケモンを語る

SHIINA、ポケモンを語る

こんにちは。経済学部出身、自称「人間社会オタク」のSHIINAです。

先日、同期たちといつものように昼食を一緒に食べていたのですが、その時ポケモンゲームの最新作の話で盛り上がりました。
11月15日発売の『ポケットモンスター ソード』と『ポケットモンスター シールド』です。
https://www.pokemon.co.jp/ex/sword_shield/
ゲームが大好きなTAKASUさんはもう予約したそうですよ!

ちなみに、発売に合わせて、今作オリジナルデザインの「Nintendo Switch Lite」も発売するのですが、色のバージョン名が「ザシアン・ザマゼンタ」という。
https://www.pokemon.co.jp/ex/sword_shield/lineup/190605_01.html#cyanmagenta

印刷屋の人間として、「おっ」と思わず反応したくなるような名前ですね!
とてもほしいです。

さて、新作紹介はここまでにして……。

出身校や境遇が異なる同期たちと一番盛り上がる会話は「子どものとき遊んでいたもの」です。
特に「ポケモン」は誰もが知っている超有名タイトルで、シリーズがいくつもありますから、「小学校のときに遊んだポケモンゲーム」の話でいくらでも話せるのです。
なんか同窓会みたいですが。いくつになっても小学生の頃の話をしていそうです。

好きなポケモンとか、敵キャラクターの話とか「あったあった!」とワイワイ話していたのですが、そのとき、IDOさんやARIMAくんが、私が話したゲームの感想を聞いて、「ほかの人と見ているものがちょっと違う」と言ったのです(笑)。

それなら、その「ちょっと違うポケモンの感想」を語ってみようかなと思いました。
本日のテーマはそれです。

そもそも『ポケットモンスター』って?

ポケモンゲームを遊んだことがない人向けにあらためてゲームの概要をご紹介。

ポケモンの始まりは、1996年発売の『ポケットモンスター 赤』『ポケットモンスター 緑』という、2種類のゲームボーイ専用ソフトでした。
151種類のキャラクターを捕まえ、育成して、集める。あるいは、他人のポケモンと戦わせる。

そして、同じゲームを持っている友達と、通信でお互いのポケモンを交換したり、バトルさせたりできる……という要素を持ったゲームです。

片方のソフトは微妙に相違点があります。

例えば特定のポケモンの出現率が異なります。
片方はよく出るがもう一方では珍しい、あるいはまったく出ない、といった違いです。

自分は『赤』のソフトを買ったけど、友達が『緑』を買った場合、友達が捕まえた『緑』専用のポケモンを交換してもらうという遊び方ができるんですね。

こういった新しい要素を持った「ポケモン」は、口コミや雑誌での紹介を通して徐々に売れ始め、大ヒット!

続編ゲームやアニメ制作、グッズ展開、世界進出など、爆発的に大きく広がっていき、現在の知名度に至っています。
今のポケモンは800種類を超えているそうです。

ちなみに私の上司は『赤・緑』から最新作までずっとポケモンゲームをプレイしている筋金入りのファンです。

実は、ポケモンにはそれぞれ隠しパラメータが設定されていて、例えば「ピカチュウ」でも、平均より攻撃力が高いピカチュウや、平均より素早いピカチュウがいます。

現実の生き物でも、「足の速い馬」「持久力のある馬」という風に、個体差がありますよね。

上司はそこまでこだわってポケモンを育成している「ガチ勢」です。

上司お気に入りのポケモンは「マリルリ」や「パチリス」だそうで、見た目はそれぞれ「うさぎさん♪」「りすさん♪」といった趣の超愛くるしいキャラクターなのですが、「ドラゴンタイプのポケモンすら一発でノックアウト可能」というマリルリのえげつない強さについて力説されました。
かわいい顔してなんて恐ろしいポケモンなんだ。

ポケモンの世界観

ポケモンのメイン世界観はシリーズ当初から、「ポケットモンスターという生き物が存在する、我々の現代社会に似た世界」を貫いています。(派生作品はまた別ですが)

シリーズ最初の『赤・緑』は、冒険の舞台がまんま『カントー地方』でしたから(笑)。
見た目もかなり関東地方に似た形です。

例えば、現実で関東地方の東京都心に位置するところに、ゲーム内で一番の大都会「ヤマブキシティ」があったりします。

主人公は「マサラタウン」という田舎町に住む少年ですが、ひょんなことからポケモンを手に入れます。
そして、リュックサックを背負ってポケモンと一緒に冒険の旅に出るため、町を出発することになります。庶民的なワクワク感!

こういったポケモン世界観には、ポケモンの生みの親である田尻智氏の幼少期の体験が大いに関わっています。

まだ自然の残る、1960~70年代の東京・町田市(神奈川に隣接した西側の街です)で育った田尻氏は、虫取りが大好きな少年だったそうで、ポケモンのアイディアはそこから生まれました。
※アニメの主人公、「サトシ」は彼の名前から付けられました。

ここで覚えていただきたいことは、「ポケモン世界で特殊なのはポケモンの存在だけで、人間が住んでいる場所はそれほど現実と変わりない」ということです。

ポケモンは「社会派」ゲームだ

さて、ここからが「ちょっと変わっている」と言われた感想部分になります。導入が長いよ!
オーバーな小見出しをつけてしまいましたが、まぁちょっと聞いてください。

私が大学生の頃に、『ポケットモンスター オメガルビー』というソフトを買って遊びました。(2014年発売)

今作を例に出して話します。

この作品は2002年に発売した、『ポケットモンスター ルビーサファイアリメイク版です。
私が初めて遊んだポケモンゲームがルビーとサファイアだったのですが、オメガルビーを遊んだときは、元の良さはそのままに、いろいろなところが新しくなっていることに感動しました。

そして、子どものときは気が付かなかった、「ストーリーのテーマ」がいかにしてゲームで表現されているかというところに、いたく感激したものでした。

『ルビー・サファイア』および、リメイク版のテーマは「人間と自然の調和」

ポケモンには決まって、世間を困らせる「悪の組織」が出てくるのですが、今作では「マグマ団」「アクア団」なる過激派組織が出てきます。

マグマ団の野望は、「陸地を広げて人間にとって住みよい世界をつくる」こと。
アクア団の野望は、「生命の始まりである海を広げて、生き物(ポケモン)にとって住みよい世界をつくる」こと。

そのために大企業にテロを仕掛けたり、海や陸を創ったと伝えられる「超古代ポケモン」を目覚めさせるという計画を企てていました。

マグマ団は開発最優先のひと昔前の企業っぽく、アクア団はシーシェパード的な環境保護団体っぽさを感じます。

2002年にルビー・サファイアが発売された当時、世間は「エコブーム」に沸いていました。

1992年にリオで行われた地球サミットがあり、1997年には温室効果ガス削減について取り決めがあった京都会議が行われるなど、90年代初頭から世界的に環境に対する問題意識が高まっていました。
エコマークや、環境改善のための国際規格、「ISO 14000」の登場なども。
2005年は「環境」を主軸とした「愛・地球博」が開催されました。

「21世紀は環境の時代」とも言われていました。

2000年代前半、当時は色々なところでエコ、エコという空気だったような記憶があります。

当時小学生だった私は、「こどもエコクラブ」という活動に参加していました。

ポケモンゲームも『ルビー・サファイア』では、「自然環境」をゲームのテーマに盛り込んでいます。

現代史ファンかつ、人間社会オタクの私としては「2000年代初めの空気をめっちゃ感じる~~~~! 萌え~~~~!」と、一般的な人にはよく伝わらない感動体験をしていました。

このあたりが私が「社会派」だと言った理由です。

もともとポケモンにはいろいろなテーマの社会派要素が多かれ少なかれありましたが、『ルビー・サファイア』からその色を強めている印象があります。

※冒頭で紹介した最新作はイギリスがモデルらしいですが、少しでもイギリス社会の知識があるならニヤリとできる要素があって、発売前からすでに楽しみです。

ただし、『ルビー・サファイア』は「地球、生き物に優しくしようね」などと説教臭く言うわかりやすいゲームではありません。

ゲームをプレイしていて特に感激したエピソードをご紹介します。

人と自然の調和

マグマ団・アクア団のような、メインストーリーとは少し外れたエピソードで、「カナシダトンネル」のエピソードが出てきます。

「カナズミシティ」「シダケタウン」という山に隔たれた二つの街があります。
その間にトンネルを作って、二つの街の交通の利便性を高めようという計画がありました。
カナシダトンネルの名付けセンスが『青函トンネル』とか『関門トンネル』みたいな、極めて日本的な名前で非常に良いですね。人間社会オタク的にとても萌えます)

しかし、トンネル建設に伴って、「山に棲むポケモンに悪影響がある」と、一部の人間たちが抗議運動をしており、建設は中止していました。

最終的には主人公がポケモンの力を借りてトンネルを開通させるのですが……。

この話、私が小学生の頃にプレイしたときは、「トンネル開通して、山のポケモンもそのままで良かったやん」くらいに思っていました。

ところが、大学生のときにリメイク版をプレイしたとき、あることに気が付いたのです。

カナシダ側のトンネル入り口横に、建設現場の詰所があるんですね。

で、詰所に入ってそこにいる男性の話を聞いてみると、こんなことを言う。

「あのカナシダトンネル……。はじめはたくさんの人間と最新のキカイで掘り進んでいた」
「だが、そのまま掘り進むと辺りのポケモンに悪影響を与えるらしくてね」
「で、おれらどうしようもなく、ここでぼんやりとしているわけさ」

詰所は閑散としており、とても「たくさんの人間がいた」とは程遠い。

「そうか、これで仕事失った人いるんだな」と気が付くのに十分なシーンです。

最後のセリフがなんか哀愁漂ってますよね。
大手ゼネコンが開発中止命令を出し、呆然とする下請け会社…なんて光景が見えましたよ、私には(´・ω・`)

トンネル開通を告知する看板が道中にあるのですが、反対派によってペンキで大きくバツを塗られていることもわかるんですね。
かなり激しい反対運動だったのではと推測。

ほかにも、主人公が行く先々で、さまざまな登場人物と会話をしますが、「自然環境と開発」に関わる話もちらほら出ており、世界観に深みを持たせています。

『ルビー・サファイア』とリメイク作品についてまとめると、何が正義で何が悪なのかを簡単には決めつけず、「人間の利便性と自然環境のバランス」に関して問題提起をしている。

そして、それらがさりげなく(ゲームの進行に影響がない程度に)散りばめられている。

しかも、子どもが引いてしまうような過度にリアルでえげつない社会描写はされない。

このバランスが本当に絶妙なんです。

超話が逸れますが、トンネル建設の苦労を感じたかったら、映画『黒部の太陽』を見るのがおすすめです。
私はてっきり視聴するまで黒部ダム建設の『プロジェクトX』的な話だと思っていたのですが、本筋はダムそのものを造るのではなくて、ダムを造る際に必要な建設機械を運ぶためのトンネル建設の話でした。
しかも結末は「人が死ぬような危険な工事を、国の発展のためと言って強行する。太平洋戦争と何が違うのか」というハードな話。
「こんな映画は絶対に戦後直後のあの時代じゃないと撮れない」と思わせるようなすごい映画です。
あと三船敏郎や石原裕次郎がめちゃめちゃ格好いいです。

ポケモンGOのすごさ

ここまでお読みになった皆さんなら、ポケモン世界がまったくの空想ではなく、むしろ現実と「少しだけ」違う世界ということがわかったことと思います。

さて、ビジネスの分野でも大いに注目された、「ポケモンGO」のヒットですが、あのゲームでは「AR(拡張現実)」についてよく語られます。

スマホをかざすと「自分の部屋にポケモンがいる」という視覚的な部分がよく取り上げられるのですが、真に「拡張現実」たる所以は、「今まで画面に向かってやっていたゲーム体験を、まるごと現実で体験できるようになった」というところだと思います。

ポケモンGOのゲームシステムは位置情報を活用しており、特定の場所に行くと野生のポケモンが現れるという仕掛けです。

ゲームリリース以来、いろいろな人が未知のポケモンと出会うために外に出かけていきました。

「名古屋駅に○○がいたよ!」という風に、珍しいポケモンの出現情報を共有する人もいます。

それは、私たちが従来のポケモンのゲームを遊んだときの、「トキワの森(ゲーム内の架空の森)にピカチュウがいたよ」という風に、友達同士で話したことと何が違うのでしょうか?

ポケモンの主人公が、新しいポケモンと出会うために色々な街を訪れたように、現実でもポケモンを捕まえるために日本中を旅できる面白さがあるんですね。

ポケモンの世界は我々の世界と「少し違う」だけ。

だからこそ、こういった拡張現実のシステムが、ポケモンの世界観を損ねることなくハマったのではないかと思っています。

最後に

さて、今までのブログの中でも屈指の情報量の多さではないかと思っております。

勘違いされる前に言っておきますが、私は「ゲームマニア」でも「ポケモンマニア」でもありません。

私はあんまりゲームをしないので、ゲームのやりこみ度ならTAKASUさんには到底かないません。

ポケモンも、昔よく遊んでいたくらいで、上司ほどのめりこんでもいません(笑)。

ただ、「人間社会オタク」なので、こういった風に書いているだけです😂

おまけ

ポケモンの生みの親、田尻智さんの半生を描いた伝記漫画が発売されています。

「ポケモンをつくった男 田尻智」| 小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09270130

田尻さんは「これはなぜ面白いのか?」を考えるのが得意だと描かれています。
自分の仕事でも、そういった分析の視点を見習いたいなぁと思います。

子ども向けですが、大人が読んでも面白いのでぜひ。
田尻さんが書かれたコラムがかなりディープです。

私の人間社会好きは間違いなく、小学校の図書室に置いてあった、小学館の『学習まんが人物館』の影響です(片っ端から読んでいました)。

最近ではスティーブ・ジョブズまで扱っていることに時代の流れを感じて良いですね。

それではまた。

SHIINA【営業】カテゴリの最新記事