SHIINAも、美術館へ行く

SHIINAも、美術館へ行く

こんにちは、営業部のSHIINAです。

TAKASUさんが豊田市美術館の「クリムト展」を見に行ったそうですが、私も先週の日曜日に、三重県津市にある三重県立美術館の「デンマーク・デザイン展」に行ってまいりました。

主要展示物は20世紀のデンマークのデザイナーがデザインした家具、とりわけ「椅子」です。

北欧インテリアは「快適」かつ「実用的」な良デザインとして人気が高いのですが、その北欧のインテリアデザインを牽引してきたのがデンマークなのです。

展示の大半は撮影禁止でしたが、一箇所だけ撮影OKな場所があったので掲載します。

この展示してある椅子は実際に座れるので座ってみましたが、木を丁寧に切り出し、随所に工夫が凝らされており、驚くほど体の曲線にフィットします。

シンプルなのに奥深いこれらの椅子を開発するために、どれほどの苦労があったかは大いに推察できます。

また、向かって右の奥にある円状の椅子は、木のフレームに紐を網状に張っており、椅子に座っているのに、あたかもハンモックに寝転がっているような心地よさがありました。

輪の形に切り出している木のフレームもこだわりだそうです。
円状に木を切り出すのは大変困難であるため、当初はスチールで作る予定だったそうですが、木の方がふさわしいという判断のもとで作り出されたそうです。

デンマークの工業力の高さも伺えます。

展示内容は家具単品で置かれている物もありましたが、さながらショールームのような趣で展示されている物もあり、とても面白かったです。

1960年代のSF作品を思わせるような、レトロフューチャー的なデザインもあり、とても時代性を感じました。

当時のデンマークでデザインされた商業ポスターも展示してありましたが、こちらも情報を最大限に削ぎ落とし、伝えたいことを一本に絞っている洗練されたポスターばかりでした。

北欧諸国は国の福祉が充実しており、高い税率にも関わらず国民の幸福度が高いことで有名です。

ここに展示してある家具も、第二次世界大戦後の物資が不足している状態で、「所得に関わらず国民すべてに快適な家具を提供する」という思想のもと生み出されたデザインのものが多くありました。

北欧は冬が長く、室内にいる時間が長いため、快適に生活することが強く求められているのかもしれません。

シンプルで無駄がなく、かつ実用的であるデンマークのデザインはもちろん、それをデンマーク国民が受け入れているところにも国民性を感じました。

質の良いデザインを生み出すデザイナーと、質の良いデザインをわかっている大衆は切っても切り離せないものなのではないかと思いました。

安く買える大量生産された椅子というと、今でこそ安価でも座り心地の良い椅子が手に入りますが、昭和から使っている家具が残る家に行くと直線的で座り心地の悪い椅子が多い気がします。

そう考えると、60〜70年前に、今の目で見ても快適に使うことができる安価な椅子をデザインしていたのは素直に驚きます。

また、職人の手作業によって作り出された良質なデンマークの椅子は、大量生産・大量消費が当たり前だった戦後アメリカからも注目されたそうです。

「The Chair(椅子の中の椅子)」と評価されたほどです。

ケネディとニクソンが大統領選でのテレビ討論の際に座った椅子も、デンマークで作られた椅子だそうで、その椅子も展示されていました。

私は現代史(20世紀から現在まで)が大好きなので、現代デザイン史としても大いに楽しむことができました。

デンマーク・デザイン展の図録が相当充実していたので、購入しました。

ついでにデンマークのお菓子も売っていたのでそちらも購入(笑)。

デンマークという国に興味を持つことのできる展示でした。

残念ながらこの企画展は9月1日までなのですが、興味がある方は行ってみてはいかがでしょうか。

それでは!

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